心血管治療チーム

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心血管治療チームについて

ABOUT

地域の高齢化とも相まって、心血管領域の治療需要は益々大きなものとなっています。

京都駅前にある康生会武田病院では、循環器内科・不整脈科・心臓血管外科が垣根のない一つの「心血管治療チーム」となり、さらに質の高い医療をご提供できるよう、日々努力しています。
当チームのこだわりの一つは、「当院では、心臓と血管の治療についてできないことは何ひとつない」ことです。治療の選択肢を広げ、その一つひとつの質を高められるよう努めています。

患者さんはもちろん、大切な患者さんをご紹介いただく開業医の先生方にもご安心いただけるよう、チーム、そして各科で研鑽を続けています。

左から朴 昌禧、木下 法之、垣田 謙
朴 昌禧副院長 / 心臓血管外科
木下 法之循環器センター長 / 心不全センター長
垣田 謙不整脈治療センター長

チーム体制

Team
structure

康生会武田病院
心血管治療チームの体制

当院の心血管治療チームは、医師(心臓血管外科、循環器内科、不整脈科、麻酔科)のほか、看護部(看護師)、薬局(薬剤師)、リハビリテーション科(理学療法士・作業療法士・健康運動指導士など)、臨床工学科(臨床工学技士)、放射線科(放射線技師)、検査科(臨床検査技師)、そして入院前から退院支援、地域の医療機関や介護施設などとの橋渡しとなる患者サポートセンターが協力し、一人ひとりの患者さん・ご家族のサポートを行っています。

複数の診療科が協力することで、ペースメーカーなど植え込み型デバイスの「リード抜去」を行ったり、動脈瘤の「ステントグラフト内挿術」、心房細動のある患者さんの左心耳を閉鎖する「経カテーテル左心耳閉鎖術」などを行っています。

康生会武田病院は、24時間365日の救急体制を敷き、年間約6,000件もの救急搬送に対応しています。心血管治療チームもこの一翼を担い、地域の医療機関・グループ施設と連携しながら、日々重症例の治療に全力を注いでいます。

診療科ハイブリッドでの治療

HYBRID
SURGERY

特徴的な取り組みの一つとしてペースメーカー・ICDのリード抜去術や末梢血管のステントグラフト内挿術を行っています。24時間365日の救急体制を堅持しつつ、医師同士の素早い意見交換からコメディカルを含む大規模な合同カンファレンスまで適切に情報共有を行い、安全・安心で質の高い医療提供に努めています。

ペースメーカー等植え込みデバイスの「リード抜去」

長期間、心臓、血管内に留置されたペースメーカーやICDのリードは、癒着してしまうため、抜くことが困難になります。

当院では、不整脈科と心臓血管外科が協力し、リード抜去を行っています。具体的には、エキシマレーザーシース、回転式ダイレーターシース等を駆使して癒着部分をはがし、リードを抜去します。

とくに京都ではリード抜去の対応施設が少ないため、特徴的な取り組みとなっています。

株式会社フィリップス・ジャパン
株式会社フィリップス・ジャパン

経皮的左心耳閉鎖術

心房細動が起こると、心房内の血液の流れが澱んで、特に左心耳内で血の塊 (血栓) が形成されやすくなり、その血栓が全身に流れていくと、脳梗塞などの塞栓症を引き起こします。

その予防として血を固まりにくくする抗凝固薬の服用が必要になりますが、出血などの理由で長期内服が困難である患者さんでは、代替療法として経皮的左心耳閉鎖術という治療方法があります。

全身麻酔下で、経食道心エコーと透視装置を用いて行います。
足の付け根の大腿静脈から右心房にカテーテルを挿入し、心房中隔に穴を開けて右心房から左心房にカテーテルを挿入します。デバイスを左心耳内で広げ、留置し、左心耳を閉鎖します。

留置後は、抗凝固薬や抗血小板薬を組み合わせて服用していただきます。CTなどの検査で経過をみながら調整、減量します。左心耳の閉鎖に問題がなければ抗血小板薬1剤のみの内服になります。

カテーテルを用いて左心耳を閉鎖することで、塞栓症のリスクは減少し、ほとんどの患者さんで抗凝固薬を中止することができます。

© 2022 Boston Scientific Corporation. All rights reserved.

心臓血管外科

Cardiovascular
surgery

「患者さんのご負担が少ない治療」
「長期成績の良い治療」の両輪で
医療の質を高めています

当院の心臓血管外科がめざすのは、患者さんにとって負担の少ない治療、そして、長期成績の良さを考え、その技術を高めること。この2つを両輪とし、日々治療に取り組んでいます。

地域の高齢化に伴い、どうしても高齢の患者さんを治療するケースが多いため、全身麻酔、開胸・開腹を伴う外科手術と比較して低侵襲な血管内治療の需要が高まっています。例えば大動脈瘤については、当院では大まかに80歳以上の方、少なくとも75歳以上の方を対象に、ステントグラフト内挿術(以下、ステント治療)を行っています。

ただ、外科手術と比較し、ステント治療は追加措置が多くなる傾向もあるため、当科では大まかに80歳を超えないケースでは長期成績の良い外科手術をお薦めしています。これは外科的に人工血管に取り換えることで追加措置が非常に少なくなるため、長期的には低侵襲と言えるからです。

心臓血管外科
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動脈瘤の「末梢血管のステントグラフト治療」

末梢動脈(主に手足の動脈)の血流に障害が起こることを末梢動脈疾患(PAD)と呼びます。動脈硬化等で血管が狭くなって血流が悪くなるもので、心筋梗塞や脳梗塞の原因ともなる恐ろしい疾患です。

治療は主に3つあり、薬物療法や理学療法(運動療法)、外科手術(バイパス手術)、そして血管内治療(バルーンやステント留置術)です。

当チームでは、適応の患者さんに対し、積極的にステントグラフト(ステント+人工血管)を用いた血管内治療を行っています。外科手術と比較し、侵襲(身体への負担)が少なく入院期間も短くなるため、特に高齢の患者さんに対して効果的な治療法と考えています。
ただし、急性動脈閉塞に対しては緊急の外科治療を行い、必要があれば循環器内科に依頼して追加の血管治療を行ってもらいます。

腹部大動脈ステントグラフト内挿術(EVAR)

腹部大動脈瘤は、動脈硬化などが原因で大動脈等の壁が弱くなり、血圧に押され、動脈が瘤のように拡張する病気です。多くは自覚症状がなく、破裂が差し迫ったケースで腹痛や腰痛が起こることもありますが、他の検査で偶然発見されるケースが少なくありません。瘤が破裂すると大量に腹腔内や後腹膜腔に出血するため、死亡率が高い疾患です。

当チームでは、開腹による「人工血管置換術」だけでなく、開腹せずに腹部大動脈瘤の治療を行う「腹部大動脈ステントグラフト内挿術(EVAR) 」を行っています。EVARは3~5cm切開して、足の大動脈からカテーテルを差し込み治療を行う手術です。傷が小さく血流も止めないで手術を行うため、非常に低侵襲で(一般的に)入院期間が短いのが大きな特徴です。当院では、患者さんの適応を精査し、いずれの治療法も行っています。

※当院ではEVAR(腹部大動脈ステントグラフト内挿術)、TEVAR(胸部大動脈ステントグラフト内挿術)の施設認定を取得しています。

弓部大動脈のオープンステント(FET)

弓部大動脈のオープンステント(FET:Frozen elephant trunk)は、弓部大動脈瘤治療のため、日本で考案された外科手術と血管内治療を組み合わせたハイブリッド治療法です。

FETは、正中開胸(身体の中心線での切開)では吻合の難しい下行大動脈まで、左開胸することなく人工血管を移植できることで、合併症が少ないのが大きな特徴です。

当チームでは適応の患者さんに対しFETを行っており、良好な成績をおさめています。

循環器内科

Cardiology

多様な心疾患を最適な治療へと導く
ゲートキーパー

循環器センター(循環器内科)は、循環器の⾎管内治療を主な領域としています。疾患の治療は⼤きく分けて「動脈硬化」「静脈疾患」「⼼不全」等があります。
循環器分野は⽣活習慣と密接な関わりがあるので、患者さんと⼀緒になった治療が⼤切です。何より「患者さんに優しい治療」となることを⼼がけています。

循環器内科といえば、心筋梗塞や狭心症など心臓そのものをイメージされることが多かったと思います。現在では、心臓から派生し、足の動脈や静脈にまで至る「循環器全て」を診させていただくようになっています。
心疾患は非常に多様です。当院では循環器センター(循環器内科)、不整脈治療センター(不整脈科)、心臓血管外科が1つのチームとなって治療しているのが最大の特徴です。なかでも当センターは、多様な心疾患症例を最適な治療へと導く心臓病のゲートキーパー役として責任を果たしてまいります。

循環器内科
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心血管インターベンション治療

当院循環器センター(循環器内科)における心血管インターベンション治療には、大きく分けて4つの治療法があります。

  1. 心臓(PCI …経皮的冠動脈インターベンション)
  2. EVT(末梢血管治療、末梢血管形成術)
  3. 下肢静脈瘤の高周波治療
  4. 深部静脈血栓症(DVT)

エキシマレーザーによる血管内治療

当院のインターベンション治療における際立った特徴と言えるものの一つが、急性期…例えば心筋梗塞時、血栓量の多い人にレーザー治療(エキシマレーザー冠動脈形成術:ELCA)を行っていることです。血栓量が多い場合、末梢塞栓症を発症しやすくなるのですが、レーザー治療は血栓を蒸散させるので、末梢血管の目詰まりを防ぐことが期待できます。

このエキシマレーザー治療は、光学的効果、音波効果、気泡の力学的効果を使って、血栓やプラークを蒸散除去することができます。
レーザー治療は全国でも施行できる施設が少ない高度医療です。

株式会社フィリップス・ジャパン

不整脈科・不整脈治療センター

Arrhythmia

不整脈によると考えられる
あらゆる症状に対処できるよう
体制強化・質の追求を行っています

不整脈治療センターは、循環器病のひとつである不整脈を専門にする診療科として作られた、他の病院にはない特色を持った診療科です。診断困難な不整脈の心電図診断をはじめ、不整脈によると考えられるあらゆる症状に対処すべく、循環器内科と密接な連携をもって診療を行っています。

不整脈の治療の第一歩は、その原因となる不整脈の確定診断となります。これは発作時あるいは症状出現時の心電図が非常に重要です。これを捉えるために、運動負荷心電図や24時間ホルター心電図を行い診断します。これらの検査を行っても原因となる不整脈・頻脈の心電図が得られないときには、不整脈のカテーテル検査(臨床心臓電気整理検査)を行います。

不整脈科・不整脈治療センター
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カテーテル心筋焼灼術(カテーテルアブレーション治療)

心臓の異常な電気興奮による「心房細動」を治療するため、主に肺静脈から左心房に伝わる電気信号を遮断する治療がアブレーションです。この遮断には、血管内から通したカテーテルで点状の焼灼を繰り返す「高周波焼灼術」、カテーテルを使ってバルーン(風船)を膨らまし、亜酸化窒素ガスを入れて冷凍凝固させる「クライオバルーン」、バルーンで膨らませてレーザーで線状に焼灼する「レーザーバルーン」などが用いられます。

レーザーバルーンは、つぎめなく連続で焼灼が行えるなど、一点一点焼灼していた従来の高周波アブレーションと比較して非常に高性能です。連続的なレーザー照射により、焼灼に隙間ができにくく、焼灼巣の持続性も高いため、再伝導が少ないのが大きな特徴です。さらには、様々な形状にフィットし、内視鏡で術野を確認しながら焼灼ライン・サイズを調整できるので、臓器のエネルギー伝達の可能性があるポイントを避けるなど、非常に繊細な調整を可能としています。
なお、このレーザーバルーン治療は、当科が全国で一番実施数が多い施設となっています。

その他、心房頻拍、心室頻拍などの複雑な難治性不整脈の治療も行っています。当院では最新の3Dマッピングシステム(EnSite x・CARTO3・ExTRa Mapなど)が導入されており、治療精度が向上しています。

Heart Light X3
© Johnson & Johnson K.K. 2021

ペースメーカー・ICD 治療

意識消失、めまいなどの原因となる徐脈性不整脈には、ペースメーカー治療が最も有効です。手術時間は約1 時間、ペースメーカーを植え込むだけの手術であれば、術後の安静は短時間です。ペースメーカー植え込みは年間100例前後行っています。
また、適応の患者さんについては、リードレスペースメーカー(MICRA)の植え込みも行っています。MICRAはリード留置による感染症をなくせるほか、術後の復帰が早いなどの大きな特徴があります。
このほか徐脈性不整脈のみならず、左心室拡張をきたし、心機能の低下した症例には、積極的にペースメーカーを利用した心室再同期療法(Cardiac Resynchronization Therapy=CRT) を行い良好な結果を得ています。

心臓突然死をきたすような致死性不整脈(心室頻拍・心室細動)を発症する症例には、植え込み式除細動器(ICD)の植え込みを行っています(年間約40例)。対象となる患者さんには心機能の低下した症例や、心筋虚血の強い例が多いので、CRT 機能を持つICD の植え込みや、循環器内科と連携し植え込み手術を行っています。
アブレーションで治療可能な心室頻拍、発作頻度が多くなりそうな症例には、アブレーション治療も行いますが、生命予後のためICD の植え込みを行います。
ICDは血管内にリードを挿入しますが、これに対し、リードを前胸部の皮下に植え込む皮下植え込み型除細動器(s-ICD)の治療も行っています。s-ICDはICDと比較して抜去がしやすいほか、本体を左側胸部に植え込むため、目立ちにくいなどの特徴があります。

注)ICD、CRTは認定施設でしか手術が出来ません。当院はこの治療の認定施設です。

皮下植え込み除細動器
両心室ペーシング

よくあるご質問

Q&A

一般向け

Q1. 治療を受けるためにはどうすればよいですか?

診療予約をお願いしています。

①紹介状がある場合

・診療予約専用電話(075-361-1360)にお電話ください。
・その際に紹介状がある旨を、当院スタッフにお伝えください。

当院は予約優先で診療を行っています。

②紹介状がない場合

・診療予約専用電話(075-361-1360)にお電話ください。
・症状やこれまでの病歴などを伺い、診療予約をさせていただきます。

患者さんの病状により、心血管治療チーム以外の診療科が対応することもあります。

当院は診療所(かかりつけ医)と連携し、地域全体で治療することを目指しています。
できるだけ紹介状を持参いただけるようお願いしています。

診療費とは別に選定療養費(7,700円)が掛かります。ご了承ください。

③医療機関からのご相談の場合

患者サポートセンターが窓口となり、紹介患者さんの診療予約、検査予約をお電話にて承っております。

患者サポートセンター

TEL:075-361-1352(直通)
FAX:075-361-1337(患者サポートセンター専用)
受付時間:月~金曜日 8:30~19:00
土曜日:8:30~17:00

受付時間外・日曜日・祝日・祭日・年末年始は医事部にて対応させていただきます。

TEL:075-361-1351(代表)
FAX:075-361-1268(医事部専用)

詳細は、当院ホームページの患者サポートセンターページをご覧ください。

Q2. 遠方に住んでいるのですが受診できますか?

もちろん受診可能です。

遠方から受診される場合、「継続的な通院が大変」と思われるかも知れません。そうした一例ですが、当院でカテーテル治療や外科手術を行い、術後、お住まいの地域の病院・診療所で診療を続け、半年、1年など定期的に心血管治療チームの専門医が診療するケースも珍しくありません。

心臓や血管の病気は、生活習慣とも深い関わりがあり、再発・悪化を繰り返す傾向にあります。さらには、他の疾患と相互に影響することもあります。定期的な受診、食生活の改善など、長期にわたって健康を守る環境を整えることが重要です。

(1)当院での受診を継続される、(2)お住まいの地域での病院・診療所をご紹介する、など患者さんのご希望をお聞きし、対応させていただきます。

Q3. セカンドオピニオンは受けられますか?

セカンドオピニオン外来を開設しています。

他の医療機関での診断・治療を受けている方で、より専門性の高い診断・意見を希望される方に対し、完全予約制でセカンドオピニオン外来を行っています。
当院のセカンドオピニオン外来が対象としているのは、「がん等の悪性疾患」、高度な専門治療を必要とする「循環器疾患」や「脳血管疾患」、「消化器疾患」です。循環器疾患は、心血管治療チームが対応しています。

詳細はセカンドオピニオン外来ページをご覧ください。

Q4. カテーテル治療や外科手術の入院期間はどれぐらいでしょう?

患者さんのご年齢や他の疾患がある場合など一概には言えませんが、大まかには次の通りです。

手術名称入院期間の目安
冠動脈インターベンション2~3日
末梢血管形成術2~3日
下肢静脈瘤の治療2日
カテーテルアブレーション治療(内、心房細動)3~4日
ペースメーカー/CRT-P新規植え込み(内、リードレスペースメーカー)4日
ペースメーカー/CRT-P 交換術4日
ICD/S-ICD/CRT-D植え込み4日
ICD/S-ICD/CRT-D交換4日
ペースメーカーリード抜去5~6日
左心耳閉鎖術4日
冠動脈バイパス術14~21日
腹部大動脈ステントグラフト留置術7日
胸部大動脈瘤オープン型
ステントグラフト
28~30日
弁膜症手術30~39日

表はあくまで目安です。患者さんの病状など様々なケースで入院期間が大きく変わることもあります。

Q5. 費用はどれぐらいかかるのでしょうか?

患者さんのご年齢や他の疾患がある場合など一概には言えませんが、大まかには次の通りです。

手術名称費用の目安(2割)費用の目安(3割)
冠動脈インターベンション約6万円約9.3~42万円
末梢血管形成術約6万円約9.5~45万円
下肢静脈瘤の治療(片足)約3.9万円約5.8万円
カテーテルアブレーション治療(内、心房細動)約6.5万円約11~91万円
ペースメーカー新規植え込み(内、リードレスペースメーカー)約6万円約9.5~45万円
ペースメーカー交換術約6万円約9~25万円
ICD/S-ICD植え込み
CRT-P/CRT-D
約6万円約10.5~130万円
ペースメーカーリード抜去約6.5万円約11~80万円
左心耳閉鎖術約6万円約11~80万円
冠動脈バイパス術約7.6万円約15~150万円
腹部大動脈ステントグラフト留置術約7.3万円約13~110万円
胸部大動脈瘤オープン型
ステントグラフト
約8万円約22~360万円
弁膜症手術約7.8万円約15.5~170万円

自己負担金額(2割/3割)で記載しています。
(高額療養費制度などご負担を軽減する制度についてはこちらをご覧ください

Q6. 外国人ですが治療を受けられますか?

もちろん外国の方も治療を受けられます。

当院では、国際医療支援室に英語・中国語に対する専任の通訳者を配置し、他の言語については、多言語通訳サービス「スマイルコール」を活用して対応するなど、外国人患者さんが安心して病院に滞在し、気持ちよく診療が受けられる環境を作っています。

当院は「外国人患者受入れ医療機関認証制度(JMIP)」の認証取得病院です。

Q7. Apple Watchの心電図Appをみていただけますか?

Appで記録された心電図もみさせていただきます。

正確な診断のためには医療用の心電図計が必要となりますが、普段の状態を把握するなど、参考にさせていただきます。

医療者向け

循環器センター+心不全センター

Q1. 心臓に関して調べて欲しいけど、どこに送っていいかわからない

当院の心血管治療チームにご紹介ください。

循環器内科、不整脈科、心臓血管外科が揃っていますので、さまざまな症例に対応することが可能です。もし上記3科でどこに送るか迷うようであれば、ゲートキーパーとしての循環器内科にコンサルトをしていただければ、3科で検討して適切な治療を提供します。

Q2. 循環器系で長期療養をしている患者さんが急変した

心血管治療チームのホットライン(070-6543-1123)にご連絡ください。

すぐに当チームで24時間365日対応します。
長期に療養されている患者さんが、動脈硬化の進行に伴い、例えば「急性心筋梗塞」「下肢動脈の急性閉塞」など、さまざまな症状を起こすケースについても対応が可能です。
当院は心血管治療チームに加え、脳神経外科、リハビリと多くの医師・スタッフが連携し、地域の先生と一緒になって一人ひとりの患者さんをサポートしていく体制を整えています。

Q3. 患者さんへの指導・教育をお願いできる?

「心不全教育入院」という仕組みをスタートさせました。

約1週間の教育入院で「どういうことをしたらいけないか」「どういうことをしてもいいのか」を覚えていただき、紹介元の先生の外来治療に役立ててもらうプログラムで、先生方や患者さんからも好評をいただいています。
このプログラムで当院のエキスパート(看護師、栄養士、薬剤師、健康運動指導士)が京都心不全ネットワークの指導要領に則り、指導させていただく体制をとっています。

Q4. 心不全の緩和ケアはどうやったらいい?

治療と緩和ケアをあわせて提供できるよう取り組んでいます。

心不全はご承知のように、悪化したり良くなったりを繰り返しながら、だんだんADLが落ち、最終的には亡くなるという「病の軌跡」を描くのが一般的です。
元気にしていたのに、急な呼吸苦のため、救急搬送されることが多く、なかなかご自宅で看取るのが難しい疾患です。

ご本人、ご家族を対象に、「心不全の緩和ケア」に取り組もうと、日本心不全学会が中心となって行っている講習会(HEPT 心不全緩和ケアトレーニングコース)を受講し、積極的、侵襲的な治療と緩和ケアを実施しております。
今後、病診連携・病病連携を強化し、緩和ケアの提供ができるよう、取り組みを深めていきます。

Q5. レーザーによる冠動脈形成術は、急性冠症候群での末梢塞栓・再狭窄しにくい?

当院ではエキシマレーザーでの治療を積極的に行っています。

急性心筋梗塞で血栓量が多い場合、どうしても末梢塞栓症を発症、重症化しやすくなりますが、エキシマレーザーは血栓を蒸散させて血栓量を減らし、末梢血管の目詰まりを防ぐことが期待できます(※1)。このため当院の心血管治療チームでは、急性冠症候群で積極的にエキシマレーザーを用いた治療を行っています。

エキシマレーザー冠動脈アテローム切除術の適応および結果: 血栓性病変に対する効果および安全性 - ULTRAMAN 登録 - Indications and outcomes of excimer laser coronary atherectomy: Efficacy and safety for thrombotic lesions-The ULTRAMAN registry

Q6. 肺高血圧症に対する薬物治療が注目されていると聞きました。

肺高血圧症には「肺血管拡張薬」を用います。

肺高血圧症(肺動脈圧平均25mmHg以上)は、肺動脈の血圧が高くなることで、心臓と肺の機能が障害される予後不良の進行性疾患群です。
肺高血圧症の患者さんは進行することも多く、原因疾患(深部静脈血栓(DVT)や膠原病等)を精査する必要があり、当科でも精査可能、原因疾患の加療も行います。
治療薬も最近増えてきており、当院でも下記の薬剤を用いて積極的に治療しています。

①プロスタサイクリン誘導体(プロスタサイクリン経路の薬剤)
②エンドセリン受容体拮抗薬(エンドセリン経路の薬剤)
③ホスホジエステラーゼ-5型阻害薬と可溶性グアニル酸シクラーゼ刺激薬(NO-sGC-cGMP経路の薬剤)

不整脈治療センター+他科とのコラボ

Q1. レーザーバルーンの特徴・利点は?

レーザーバルーンの特徴は、連続的なレーザー照射が可能なため、焼灼巣の隙間が出来にくく、持続性も高いことです。
そのため、肺静脈隔離後の再伝動が少なく、高い治療効果が期待できます。

利点としましては、一般的なクライオ(冷凍)バルーンと異なり、レーザーバルーンはさまざまな形状にフィットし、内視鏡で術野を確認しながら焼灼ライン・サイズを調整できるので、臓器のエネルギー伝達の可能性があるポイントを避けるなど、非常に繊細な調整が可能です。
また、連続で30点の焼灼が行えるなど、一点一点焼灼していた従来の高周波アブレーションと比較し、非常に高性能です。

Q2. 長期の持続性心房細動や医原性の心房細動にも対応している?

当院では、最新の心臓血管専用造影装置「心臓3Dマッピングシステム」といった機器を駆使し、
困難症例にも対応しています。

当科のアブレーション治療の症例で最も多いのは心房細動で、それも7日以上継続している持続性心房細動を含んだ治療も多く行っています。紹介例では、通常の頻脈性不整脈などはもちろん、他施設で対応が難しかった、非常に長期にわたる持続性心房細動であったり、焼灼治療で不整脈が止まらないなど医原性のケースも珍しくありません。

Q3. 除細動器(ICD、S-ICD)の埋め込みに対応している?

京都では、除細動器(ICD)、皮下植え込みの除細動器(S-ICD)に対応できる施設は限られますが、当院は多くの症例に対応しています。

Q4. ペースメーカーや除細動器のリード抜去に対応している?

当院の心血管治療チームでは、リード抜去術を行っています。

植え込み型デバイスは、留置期間が長くなると癒着が強固になり、抜去が難しくなりますが、当院では対応可能です。
感染のみならず、MRI対応機種へのアップグレードも相談に応じて積極的に行っています。

Q5. 不整脈で紹介した患者さんの様子を知りたい

紹介元の先生に患者さんの状態をお伝えすべく、術後は併診させていただきながら継続的に手紙をお送りしています。
新型コロナウイルス感染症のため、連携の機会を持ちにくくなった面がありますが、そうした環境でも、紹介元に患者さんが戻られる際に、経過を共有することが大切と考えています。

当院は地域医療支援病院であり、新型コロナウイルス感染症流行前はオープンベッドやカテ室に来ていただくことも行っていたのですが、感染対策のため現在は難しい状態です。そうしたなかでも病診連携・病病連携をどのように強化していくか模索を続けています。

心臓血管外科+α

Q1. 開胸・開復手術より低侵襲な血管内治療を患者さんが希望している場合は?

長期的な視点で患者さんにふさわしい治療法を提案しています。

高齢化で、カテーテル治療などより低侵襲な治療を希望されるケースが増えています。当院の心血管治療チームでも低侵襲な治療であることを重視し、カテーテルで血管内にステントグラフトを留置する「EVAR/TEVAR」の施設認定を取得するなど、さまざまな治療に取り組んでいます。

ただ中長期では、何度も追加の処置が必要になるケースなど、かえって侵襲が多くなることが考えられる場合は、長期成績の良い外科手術をおすすめすることもあります。
また低侵襲という意味では、例えば冠動脈のバイパス手術で、人工心肺を用いずに心臓を動かしたまま行うオフポンプ手術にも取り組んでいます。もちろん、全例をオフポンプにする訳ではなく、病状に応じて治療計画をご提案しています。

大切なのは患者さんが元気になり、長期にわたりきちっと血液が流れることですので、いつも最適な治療を心掛けて取り組んでいます。

Q2. 外科手術は何歳まで可能でしょうか?

80代を超えなければ外科手術をおすすめし、それ以上は血管内治療をおすすめしています。

ただ、年齢面だけで判断するのではなく、術後にリハビリが継続できるかどうか、認知症や他の疾患の状態、何よりフレイルかどうかを第一の視点にして治療計画を立てています。

Q3. 外科手術は合併症が心配です

当院の心血管治療チームでは、できるだけ丁寧に手技を行い、合併症の発生を可能な限り抑制しています。
手術の二大合併症は、出血と傷の化膿です。出血が多ければ、もう一度手術を行う再開胸につながります。

直近5年間では、重症例・緊急例も含めて再開胸の症例は0件です。
正中の傷の感染についても直近7年間は0件です。

かつて心臓の手術は、手術時間が短いことが評価ともなっていました。短いにこしたことはないのですが、それより「端折ることなく丁寧な手技を積み重ね、きるだけ合併症を少なくしていく」ことを当院では第一にしています。

Q4. 抗凝固療法をしていますが、末梢動脈が閉塞します

他科と連携し、必要に応じて対応します。

心房細動をお持ちの高齢の患者さんで、本来なら抗凝固療法をされると思います。それが、(例えば、服薬を患者さんが止めておられるなど)上手くいかないケースも少なくありません。

当院の心血管治療チームでは、まずカテーテル室で外科医師が血栓除去を行い、造影で下肢の血流状態を評価しながら、必要があれば循環器内科医師がカテーテル治療を行います。

Q5. 手術のトラブル対応も可能でしょうか?

可能です。

当院では、24時間365日の体制で救急対応を行っています。他院での循環器治療中にトラブルが発生し、心臓血管外科医がいないため対応できなかったり、また、手術室が塞がっているため対応できないので、当院に依頼されるケースもあります。

当院の心血管治療チームでは、心臓外科医が毎日、24時間対応できる体制を整えています。

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